単純ヘルペス

Q:額にヘルペスと思われる症状が出てきました。小さい時に口唇ヘルペスにかかった事があるので抗体があると思うのですが、再発するものなのでしょうか?

​A:疲れたときや、ストレスがたまった時など、体力を消耗して免疫力が落ちると再発することがよくあります。口唇ヘルペスを含む単純ヘルペスは基本的に7~10日で自然治癒しますが、体力が極端に落ちている場合等は、長引く事や繰り返す事もありますので、皮膚科を受診すると良いでしょう。

痛い水ぶくれを起こす単純ヘルペス

単発性に痛い水ぶくれがおきる単純疱疹は、単純ヘルペスウィルスによって引き起こされる疾患で、多くは口唇やその近くの皮膚(皮膚粘膜移行部)、角膜や結膜、目の周り、鼻の中、鼻の下、手のひら、胸や 腕、時には陰部など、ほぼ全身に起こりうる疾患です。​

初期はピリピリした痛みや違和感から始まり、少し盛り上がった赤みの上に 小さな水疱が集まったような状態になります。その後かさぶた(痂皮)が出来て、自然に治ります。

発症のきっかけとしては、なんと言っても疲れやストレス、睡眠不足等からの、体力低下が多いです。加えて、海水浴やスキーなど、紫外線暴露もきっかけになります。これは、紫外線を受けることにより、ウィルスと戦うリンパ球がダメージを受けるためと考えられています。

一旦単純疱疹を発症すると、体力が落ちるたびに繰り返すことが多くあります。いわゆる「ヘルペス持ち」といわれる人は珍しくありません。

ヘルペスの種類

単純ヘルペスウィルスにより発症する「単純疱疹」と、水痘・帯状疱疹ウイルスにより発症する「帯状疱疹」の2種類を一般的には「ヘルペス」と呼んでいます。

単純疱疹の種類

大きくは、主に口唇や顔などに出来る単純疱疹(Ⅰ型単純疱疹ウィルスによるもの)と、陰部・肛囲に出来る単純疱疹(Ⅱ型単純疱疹ウィルスによるもの)に分類できます。

Ⅰ型・Ⅱ型ともに 治療の方法はほぼ同じですが、陰部に再発を繰り返す単純疱疹に対しては、内服薬の予防投与などの治療法もあります。

最近は 陰部以外の単純疱疹にも、内服薬の予防投与が承認されました。

ヘルペスの治療法

内服薬と外用薬があります。

当院では、軽症の場合や、内服をしにくい小さいお子様・ご高齢の方には、外用薬で対処しています。内服を出来る場合には、抗ヘルペスウィルス薬の内服薬を処方します。内服薬の方が、短期間での治療効果が期待出来ます。

一番大切なのは、ヘルペスの症状が出る前に体調を整えて、体力低下を防ぐことです。

それでもヘルペスが出てしまった場合には、安静を心がけ、自分を大切にして、十分な休養をとることが重要です。