じんましん(蕁麻疹)

​Q:右の腰あたりに蕁麻疹ができました。痒みもあり、家にあった軟膏をつけて寝たのですが、朝になっても良くなっていません。痒みも増したように感じます。どのように対処すればよいのでしょうか?

A:ご質問には 「じんましんが出来ました。」とありますが、まず、じんましんか、他の皮膚の状態か、診断を受けることが必要です。じんましんは、赤い、あるいは常色の、盛り上がるような発疹(膨疹)が、虫刺されのように点在する場合や、地図状に融合して出来る場合があります。じんましんの種類によって治療法は異なりますが、一般的には内服薬で治療出来る場合がほとんどです。

じんましん(蕁麻疹)とは?

皮膚の一部がまだらにはれたり、赤くなったりする症状。多くの場合は「かゆみ」をともない様々な要因で発生します。数時間で消える事が多いのですが、一日ごとに繰り返すこともあります。

じんましん(蕁麻疹)の種類

蕁麻疹には様々な種類があり、同時に現れることもあるため特定することが難しいです。比較的はっきりしている種類としては、以下のようなものが挙げられます。

症状の持続性から

急性蕁麻疹
何らかのきっかけで、突然出来るじんましん。治療をすれば1日~数日で治癒することが多いです。
慢性蕁麻疹
できはじめから、症状がでたり、引っ込んだりを繰り返し、数週間~数ヶ月、時には年余にわたり持続するじんましん。内服薬で治療しますが、難治性の場合もあります。

原因となる事柄から

物理性蕁麻疹
摩擦や圧力等の、物理的な外的刺激により起こる蕁麻疹です。
コリン性蕁麻疹
汗をかくと発症する蕁麻疹。1つ1つの膨疹(ぼうしん/皮膚の膨らみ)が小さく(1~4mm)、子供から若い人に多い蕁麻疹です。
アレルギー性蕁麻疹
食べ物や薬、昆虫や植物の特定物質(アレルギーを引き起こす元:アレルゲン)に反応しておこる蕁麻疹です。
血管性浮腫
唇やまぶたなどが突然膨れ上がり、症状が消えるまで2~3日を要する蕁麻疹。痒みを伴わない事が多いため、蕁麻疹の種類ではない、という考え方もありますが、症状として似ているため取り上げました。

じんましん(蕁麻疹)が起こる仕組み

血管が分布する組織であればどこにでもある「マスト細胞」が活性化することが蕁麻疹の原因であることが分かっています。「マスト細胞」には、強力な炎症性メディエーターであるヒスタミンが含まれています。食べ物・薬剤などのアレルゲン、物理的刺激、運動等によりこのマスト細胞が活性化すると蕁麻疹が起こるといわれています。

じんましん(蕁麻疹)の治療法

蕁麻疹の治療は、内服薬によるものが一般的です。抗ヒスタミン薬の単剤で治療効果が現われる事が多いですが、症状が重く、繰り返す場合には、複数の抗ヒスタミン薬、漢方薬を併用する場合もあります。急激で強い症状があり、喉頭浮腫によって、息苦しさを伴う場合などには、ステロイド内服、注射をすることもあります。

​発生原因が特定出来れば、それらの物質を取り込まないようにするのが、有効な予防策となります。

​じんましんの原因は、わからないことも多々あります。慢性じんましんは、特定の物質に反応して起こることより、体調によって出やすくなることが多いです。疲れやストレス、過度の緊張の連続などが原因となりますので、日常生活において、心や体の状態を整えていくことがじんましんの予防につながります。