乾癬

Q:お付き合いをしている彼が「乾癬(かんせん)」なのですが、人にうつる病気なのでしょうか?また治る病気なのでしょうか?

A:乾癬は決してうつる病気ではありません。温泉やプールに入ってもうつることはありません。ご家族や友人など周りの人に正しい知識をもってもらいましょう。乾癬は症状をやわらげたり、良い状態を保つことはできますが、必ず完治する、という方法はまだみつかっていません。よくなったり悪くなったりを繰り返す病気ですので、皮膚科医師とよく相談し根気よく治療を続けることが大切です。

乾癬(かんせん)とは?

乾癬は「炎症性角化症」という皮膚の病気です。「皮膚の炎症」と「表皮の新陳代謝の異常」2つの側面をもつ病気で、少し盛り上がった赤い発疹の上に白色の垢(鱗屑)が付着し、ボロポロとふけのように剥がれ落ちます。

​乾癬の皮膚では、炎症を起こす細胞が集まって活性化しているため毛細血管が拡張し、皮膚が潮紅を起こします。また表皮が通常の10倍以上の速さで生まれ変わり、生産が過剰な状態となるため、表皮が厚く積み上がり、鱗屑となって剥がれ落ちていきます。

乾癬は、症状によって、以下5つの種類に分類されます。

尋常性乾癬

乾癬患者の9割を占めます。頭・肘・膝などによく見られ全身に広がることもあります。また半数以上の患者に爪にも症状がみられるのが特徴です。

滴状乾癬

小さな水滴程度の大きさの発疹が全身にできます。体のどこかに存在する細菌の感染病巣が悪化すると時に起こることがあります。扁桃腺炎がきっかけになることが多いといわれています。

乾癬性紅皮症

尋常性乾癬が全身に広がり、皮膚全体が潮紅状態になります。

膿疱性乾癬

発熱や倦怠感を伴い、急激に全身の皮膚が潮紅し、膿疱が多発します。放置すると重篤な状態になることがあります。

関節症性乾癬

皮膚の症状に加えて、関節リウマチのように関節がはれたり、傷んだりします。

乾癬の治療法

乾癬は完治させることが難しくとも、症状を抑える治療はあります。必ず皮膚科の医師の指示に従って根気よく治療を続けるようにしてください。​

(1) 外用治療…ビタミンD3やステロイド外用薬が用いられます。
(2) 内服療法…「レチノイド(エトレチナート)」や「シクロスポリン」という内服薬が用いられます。
(3) 紫外線療法…光源ランプを照射する治療法です。
(4) 生物学的製剤…免疫にかかわる物質の働きを弱める注射と点滴による治療です。前述のいずれの治療でも効果がみられないときに行われますが、重い感染症などがある患者は受けることができません。​

乾癬は皮膚の症状により、日常生活や治療においても様々なストレスや悩みを抱えてQOL(Quality of life/生活の質)が著しく損なわれることがあります。適切な治療を行うことにより、このような悩みをできる限り少なくすることができ、QOLも向上して治療にも積極的になれる、という好循環が生まれるよう、皮膚科医師とよく相談をしましょう。

乾癬に関する疑問や注意点

乾癬は遺伝するの?
乾癬になりやすい体質は遺伝することもあると言われていますが、必ず乾癬になるわけではありません。日本では親が乾癬で子供も乾癬が発病する確率は5%といわれています。​

漢方薬は乾癬に効くの?
補助的な治療法として体質や症状にあわせて用いることもあり、効果があることが多いです。​

日常生活で注意することは?
症状が出ていない部分でも引っかいたり、傷をつけたりすると、そこに新しく乾癬ができてしまうことがあります(ケブネル現象)。衣服や眼鏡、髪の毛などの刺激によっても起こる可能性があるので、服装にも配慮が必要です。また長時間、同じ姿勢を取り続けることもできるだけ避けましょう。乾燥を避け、できるだけ日にあたることを心がけましょう。ただし急激な日焼けは 避けましょう。

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