口内炎

Q:50歳女性です。舌の横の部分や、歯ぐきの内側、頬や唇の内側に白っぽいできものが出来ます。酸っぱいものや 辛いものを食べたときには、しみて痛く、とても煩わしいです。なんとか防ぐ方法はありますか?

​A:出来ては治る、ということをくり返し、また別の場所にできる場合は、「アフタ性口内炎」が最も考えられます。口の中に出来る炎症には 単なる口内炎ではないものもあり、ひとつの場所に症状がずっと続いたり、少しずつひどくなったりする場合は、悪性に変化する場合があるので注意が必要です。

悪性に変化する口の中のできものには、口腔がん(舌がん・頬粘膜がん・歯肉がん)、白板症など、また 全身性の疾患では、ベーチェット病などがありますが。当院で診察の上、悪性の可能性を疑うべき場合や、さらに詳しい検査が必要な場合は、適切な医療機関にご紹介を致します。

※このコラムでは、主に悪性ではない口内炎について、お話をします。

口内炎の種類と治療法

最も多いのはアフタ性口内炎(潰瘍性口内炎)

アフタ性口内炎は、赤く縁取られた2~10mm程度の丸くて白い潰瘍が、ほほ、口唇の内側、舌、歯ぐきなどに発生します。通常は1~2週間で自然に治ります。人によっては、何度も口内炎を繰り返し、食事のたびに 口の中が痛いので、とても憂鬱、という場合もあります。

アフタ性口内炎の原因はひとつではありません。

粘膜を正常に保つためのビタミンA・B2・B6・Cなどの不足、睡眠不足、疲労、ストレス、胃腸の調子の変化による口内細菌叢の変化、ウィルス感染、機械的刺激などが原因になります。

治療:不足するビタミン類の内服、胃腸の調子を整え、粘膜病変を治療する漢方薬の内服などをします。また 炎症が強い場合には、血管の透過性を制御する内服薬を処方する場合もあります。外用薬については、当院では軟膏やパッチ状の貼り薬を処方することは少ないです。多くの場合、低刺激性のうがい薬で改善します。

物理的刺激による口内炎

入れ歯や矯正器具が合わない場合など、ずっと同じ部位に刺激が加わることによっておこる口内炎もあります。このような口内炎の場合は、長いことそのままにして適切な治療をしないと、舌がんなどの悪性腫瘍に変化する場合があります。アフタ性口内炎との違いは、1~2週間では治らず、だんだん症状が悪化します。正常粘膜との境界が不明瞭な事が多いです。

治療:歯科・口腔外科を受診して、入れ歯や矯正器具が口腔粘膜にあたらないように調整してもらいましょう。

ヘルペス性口内炎

単純ヘルペスウィルスによる口内炎は、特に腫れが強く、痛みも強いのが特徴です。単純ヘルペスウィルスに感染している人が、ストレス、疲労などで体力が落ちたときに発症します。

治療:単純ヘルペスに対する内服治療や、低刺激性のうがい薬が一般的です。体力低下がひどい場合には、漢方薬、ビタミンなどを補助的に使用する場合もあります。

カンジダ性口内炎

カビ(真菌)の一種であるカンジダ菌は、もともと健康なひとの口内にも存在する常在菌のひとつですが、体力が落ちたとき、妊娠中、抗生物質の内服中や、ステロイド内服・口内噴霧などがきっかけで口内に増殖し、舌や頬粘膜に白っぽい苔状の膜を作ります。

治療:原因がはっきりしている場合は、それを取り除けば 自然に治ることもあります。治りにくい場合は、抗真菌薬を口に含んで治療したり、内服する場合もあります。

ニコチン性口内炎

喫煙の習慣により、口の中が長時間熱にさらされることや、ニコチンの毒性によって、口のなかの粘膜や舌に白斑が出来ます。がんに変化する可能性もあります。

治療:禁煙をします。口腔内の症状によっては外科的治療が必要な場合もあります。

口内炎の予防

皮膚科に限らず、他のどの病気でも言えるように、とにかく「体調を整える」ことが重要です。

わかりきっていることの様に思うかも知れませんが、しっかり睡眠をとること、きちんとバランス良くご飯を食べること(タンパク質、ビタミンB2・B6・Cは特に重要です)、ストレスをため込まないこと。

それでも口内炎が出来てしまった場合は、皮膚科を受診しましょう。何らかの治療がきっかけで、あまりできなくなる場合も多いです。