花粉症と皮膚

Q:毎年2月~4月にかけ肌が赤く腫れ、ひどい場合は粉をふいてしまう場合があります。この時期は花粉症でも悩まされているのですが、何か関係はあるのでしょうか?

A:診察をしてからの判断となりますが、花粉が影響している可能性もあります。花粉を原因とする肌のトラブルは顔に発生することが多くありますが、花粉の時期に全身のアトピー性皮膚炎が悪化したり、からだの他の部分がかゆくなることもよくあります。

花粉症の仕組み

花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉を原因物質(アレルゲン)として、体を守る免疫機能が過剰に反応してしまい、その結果、アレルギー反応である鼻水やくしゃみ、目のかゆみ、頭痛などの症状が出ることです。​

関東圏では特に2月~4月のスギやヒノキの花粉が飛びやすい時期に多いですが、初夏、秋などにもいろいろな植物によるアレルギー性の症状は起こります。​

季節性があることから、花粉症は「季節性アレルギー鼻炎」とも呼ばれ、「日本人の約4人に1人が花粉症である」といわれています。

花粉による皮膚トラブル

花粉症の時期に一致して起こる皮膚のトラブルでは、目・鼻・頬の周りや 首の周りなどに、細かい赤みを持った発疹が出ることが多くあります。​

また、鼻のかみすぎや、かゆい目をこすることによってできる、ざらざらの痛痒い発疹のこともあります。これらは花粉や掻破によっておこる直接的な刺激による、刺激性の接触皮膚炎です。​

花粉などを吸いこむことによって、全身のアレルギー反応が引き起こされ、からだのあらゆるところがかゆくなる、アレルギー性の皮膚炎の場合もあります。​

どちらのタイプにしても、内服薬や外用薬で治療をすることができます。

花粉の時期に悪化する皮膚炎の原因と対策

皮膚炎を発症する最大の原因は、何度も鼻をかんだり、目をこすったりする摩擦行為にあります。症状が「目」や「鼻」の周りに出やすいのは、そのためです。

対策としては、まず刺激をできるだけ与えないことが重要です。これらは皮膚炎の対策、というよりも、「花粉症の対策」とほぼ一致すると思います。マスクはもちろんのこと、空気清浄機を設置したり、屋内に花粉を持ち込まないよう、うがい・手洗いを徹底する工夫が必要です。

また皮膚のバリア機能を高めるために保湿をすることや、生活習慣の改善も効果的です。食事はビタミン(A・D・E・B2・B6・Cなど)を多く含む食材を意識的に取るようにしましょう。​

症状が改善しない、もしくは悪化した、という場合は、皮膚科を受診されることをおすすめします。